現在私達は５０代の半ばですが、これは４０代の半ば頃の話しです。私は専業主婦で趣味のフラダンスや山登りを友人達と楽しんでいました。
ガーデニングも好きでそ、こそこ広い庭には年中その季節の花が沢山咲き乱れていて、誰が見ても幸せ一杯な家庭に見えていたハズです。
外資系企業でバリバリ働く夫はカッコよくて私の自慢でした（過去形）
夫はロンドンに本社がある外資系の会社で働いていて仕事柄時々ロンドンに出張をする事も多かったのです。は口うるさい夫が出張でいない時は、ホッとして大いに羽をのばしていました。食事の内容にも煩かったので本当に夫がいない時は楽ちんで幸せだったのです。
近所の奥さんとランチやディナーに出かけたり、成人して一人暮らしをしている娘と一泊旅行に出かけたりして楽しんでいました。もともとはカッコ良くて憧れて結婚した夫でしたが、今は夫がいないからと寂しさはまるでありませんでしたｗ
夫が「ローラ～」という寝言もまだこの時は微笑ましかった
そんなある夜夫が何やら寝言を言ってました。「ローラ～」と言ってる様に聞こえました。あ、あの天然のローラちゃんの事か・・・夫はローラのファンで日頃から「うふふ～って可愛いなぁ～」とテレビで見かける度につぶやいていました。
私もローラちゃんは好きで彼女の出ている番組はよく夫と一緒に見ながら笑っていました。ローラちゃんを見ていると癒されるんです。なので夫の寝言も「やれやれ」といった感じで微笑ましい思えたくらいです。ところが・・・
洗濯物に意味不明な「極度乾燥しなさい」の文字
その頃夫は度々仕事関係だと言い外泊する様になっていました。ある時洗濯物を干していると面白い物が混ざっていました。夫の物と思われる「極度乾燥しなさい」と言う文字がウエストの所に入った下着があったのです。
その言葉に思わず笑ってしまいましたが、夫の下着は全て私が買っているので一体どうしてこんな下着が混ざっているのか不審で一杯になりました。
ズバリ聞いても素直には答えないだろうと思いしばらく泳がせる事にしました。外泊といい変なパンツといい怪しさで一杯でした。それから１週間程経った頃夫から私の携帯に英文のメールが入りました。そのメールの差し出し人は「Laura」（ローラ）だったんです。
何？ローラ？なんで知り合いなの？混乱する私
浮気相手に送る筈のメールを寝ぼけた夫は私の横で何と私に送って来たのです。もう呆れると言うかその滑稽さに大笑いしてしまいました。ビックリした夫はきょとんとした顔で私を見ていました。
私は今送られて来たメールとあの『極度乾燥パンツ』を並べて夫に見せました。夫はパンツ一丁で土下座をして私に何度も謝りました。
夫は私に自分から30代のローラとの関係を話し始めました
ローラと言うのはロンドンで知り合ったブロンドの３０代のアメリカ人の女性で、例のパンツはその女性がロンドンで買って夫にプレゼントした物だったそうです。イギリスでは『スーパードライ極度乾燥しなさい』と言うフレーズの入ったファッションが流行っていて、パンツの他にも数点プレゼントしてもらっていた様です。
他の物は会社のロッカーに保管していたのですが、パンツだけはうっかり履いたまま帰って来た様です。全くボロの出し過ぎでもう少し浮気をするなら賢くして欲しいものだと思いました。
私は以前からプードルを飼いたくて仕方なかったのですが夫が犬嫌いで我慢していました。しかし、この一件の後は夢がすんなり叶いました。そうです、夫に犬を嫌とは言わせなかったんです。
